雑踏の中で。

大学の同級だった男が結婚した。
お祝いで名駅の裏の飲み屋に集まり、男6人で乾杯。
結婚祝で集まってにもかかわらず、主賓のその男はかみさんを連れてこないどころか、写真一つ持ってこないという不始末をやらかし(ケータイの写メさえない。ホントに結婚したんか)、勝手に男6人でイメージプレイさせていただきました。
妄想って素晴らしい。


解散した時間が22:30くらい。
まだ終電まではあるが、帰ってもどうせかみさんもぼんも寝ているという、微妙な時間のエアポケットにひとり残される。
一人は嫌いじゃないので(というか一人大好き)、マックでフライドポテトを単品で買い(今は全サイズ150円ですぞ)、駅裏の噴水のそばに腰掛けた。
もそもそとポテトの切れ端を口に運びながらボーっとする。
独身時代はたまにこういうことをやっていたんだけど(変な奴ですね。すんません)、なんか久しぶり。
何も考えずに、全ての感覚を研ぎ澄ますと、世界が違って見えてくる。
視覚で人の流れを観察し、聴覚で雑踏の声を聴き、嗅覚で街の匂いを感じ、触覚(肌)で空気に触れ、味覚でジャンクフードを味わう。


いろんな人が行き交う。
金曜日夜の駅裏は、トラベルツアーの待ち合わせ時間とモロに鉢合わせるため、とにかくこれから出発、という人が多い。
そんな人たちは大抵大きな荷物を持っているし、とにかく表情が期待に満ちているのですぐに分かる。
しかしそれ以外にも、明らかに怪しいアロマエステの勧誘(多分前身は出会い系喫茶)、綺麗目のギャル(ホントに綺麗な奴らだった)を必死に口説くロンゲのにーちゃん、フラフラとした足取りで今にも吐きそうなサラリーマン(飲みすぎだよ)、飲み屋の呼び込み、分かりやすすぎる極道、ゴスロリファッションのおばちゃん二人連れ、なんか一人ブツブツと楽しそうに喋りまくってるヘッドフォンの少年、エクステ盛りまくりのホステス等々、見ていて飽きない。
みんな楽しそうだったり、つまらなそうだったり、無表情だったり、いろんな顔をしている。
俺はどう写っているんだろうか。
みんな何を考えてるんだろうか。
何も考えてないのだろうか。
なんかいろんな思いで胸がいっぱいになる瞬間だ。
みんなお互いの心なんて全然分からずに、好き勝手に生きているんだけど、それでもこうして社会はまわっていく。
人に言ったら笑われてしまうような小さな悩みでも自分にとっては重すぎて押し潰されそうだったり、前に進みたくても自分の立ち位置が決まらずに芯がない感じが頼りなくて怖気づいてしまったり、みんな何かしら抱えながらもこうして無責任に人間観察をしている俺の前を通り過ぎていく。
そしてそうやって達観ぶっている(日本語変だな、まあいいや)俺自身もそんな人たちの集まりである社会のつまらない一員であるわけで。


そんなことを考えてしばらくしてから帰路に着いた。
家に帰ったらやっぱりぼんとかみさんはベッドですやすや寝てた。
なんか嬉しいもんだ。


結局今日の更新は何が言いたかったんだろう。まあいいやどうでも。
寝ます。おやすみなさい。