八日目の蝉

いろんな本を読んでると、年に数度、こ、これはヤヴァイ、と激しく感情を揺さぶられる作品がある。
これも見事、その一つに名を連ねることになりました。
「告白」以来かな。


八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)


角田光代
とても有名なサスペンスでドラマ化映画化もされてるけど、俺は初めてだった。
誘拐犯となってしまった女と、誘拐犯に育てられた女の心理描写があまりに巧み過ぎて脱帽してしまった。
最後に二人がすれ違うところなんて、あまりに切なすぎ。


プロットも、文体も、まさに女性ならではだな、と思った。
雑な男子ではここまではかけまい。
どうしても流れが硬質になってしまいがちの俺は、いつも女性作家の文字の連ね方を意識して書いてんだけど、ものすげー参考になった。


今月22日にはかなり話題になった映画がテレビ初登場のはず。
若干俺の中で期待が膨らみすぎてる感があって、見てガッカリなパターンがいささか怖い気もするけど、絶対に見る!


いい本に出会えました。
角田先生ありがとう。