塩の街

読了。
有川浩最高。

塩の街 (角川文庫)

塩の街 (角川文庫)

電撃大賞受賞作にして彼女のデビュー作。
電撃文庫で刊行された当時のは、塩害の原因たる結晶に攻撃するところも描写があったらしい。
読んでみたい気もするが、ないならないで良し。


これを読了した瞬間、なぜ琴線に触れるのか明確に分かった。
こないだ感想を書いたStory Sellerにしろこの塩の街にしろ、とても美しく「死」が描写されているからだ。
美しい「死」。
死を軽んじる気は毛頭ないけど、俺なりの死に対する解釈(死についてもいろいろと思うところがあるのでそのうちまた語る)だとか想いにいい感じにシンクロする。
その証拠に、同じ有川浩の書いた作品でも、阪急電車はここまで感動しなかった。
(もちろん十分楽しめたし感動もできた大変よろしい作品だけれども)


震災後の今だからこそ、この塩の街は多くの人に読まれるべきだ。
極限の状況の中で、恋が世界を救う。
文字にするとこっ恥ずかしい概要だけれども、そこに真正面から書きたいように書いた、彼女の初々しい文字列に素直に感動できる作品でした。
素晴らしい。