親指の恋人

親指の恋人

親指の恋人


石田衣良の恋愛小説。
物語冒頭でオチをいってしまうので、俺も別に隠さず言っちゃうけど、二人は最後に自殺する。
とても刹那的で、ドラマティックに恋が描かれていて、オチが分かっていても最後まで息をつかずにしっかり読み切ってしまった。



が。
この物語のあり方は俺的にはいただけない。
作者的に、こういったロミオとジュリエット的な悲劇をかなりリアルに書いて、読者にどう受け止めてもらいたいんだろう?
単なるエンタメとして楽しむにはいささかリアルすぎる。
中には自殺を是として受け止めてしまう人もいる気がするぞ。
だって死んで行く二人がものすごく美しく描かれてんだもん。
こんな死の物語は俺は認めん。