遊具から落下(長文)

最近面倒でブログを更新してなかったけど、今日の事件はちゃんと記録しておかねば。
結論としては大事には至っていない、けど運が良かっただけ。


弥富の海南子どもの国には、迷路のような遊具がある。
低かったり高かったりする壁で仕切られていて、迷路の中でかくれんぼやおいかけっこをするもよし、壁には厚さがあるので壁の上をのぼって歩いてもよし。
今日のぼんは壁の上を歩いていた。
場所によっては2m以上の高さにもなり、落下すると危険なので当然俺がすぐ下にぴったり張り付いていた。
今日はそう極端に暑くもなく、子どもの数がとても多かった。
世話しなくあちこちを子どもが走り回っている中で、慎重派のぼんはゆっくりとバランスをとりながら壁の上を丁寧に進んでいた。
しかし、そこで想定外の事件。
小学3、4年生くらいと思われる子どもがぼんをあろうことか背後から押しのけて無理やり前進した。
当然、ぼんは落ちる。
俺はその瞬間をバッチリ見ていた。
場所もすぐそば、ちょっと進めば手の届く位置にいた。
ぼんの体が2mの高さから落ちるのがスローモーションで見える。
が、なぜかああいうときって体はちゃんと動いてくれないんだな。
脳と運動神経がしっかりつながってくれないってゆうか。
ずでん、とぼんは尻から落ちた。
頭や指先とかじゃなくて良かった。


一瞬の間。


直後、ぼん、号泣。
俺、抱き上げる。
かみさんもすぐ駆け寄る。
かみさんがぼんを抱っこする。
大抵のことはかみさんの抱っこで泣き止むぼんだけど、一向に泣き止む気配なし。
泣き方も尋常じゃない。(後から思えば、あれだけ号泣できる余裕があるってことはまだマシだったってことなんだけど)

  • お尻から落ちた。頭じゃないから大丈夫
  • けど結構高かった。骨とかイッてるかも。ヒビとか?
  • 腰にも近かった。
  • けどお尻の柔らかい肉がクッション
  • 落としたクソガキ、何しやがる
  • このガキの親、どこだ
  • すげぇ泣いてる。病院か。それともほっときゃ直るのか
  • 近くの病院どこだろう。市外だからすぐ思いつかん


とまぁ、これだけのことが一瞬のうちに、一気に頭の中を駆け巡る。
しかし明らかなのは、現在は致命傷ではなく、かといって放っておくのは不安だということ。
おろおろしながらも「いたい? どっかいたい?」と聞くと、ぼんは涙と鼻水で顔をくしゃくしゃにしながら「イタイイタイ」というだけ。
「119番して、近くのお医者さん聞いてみよう」とかみさん。
何て頭がいいんだ。
すぐに俺から電話。
平行してかみさんはぼんをあやしながらも「こんな高いところで小さな子を押しちゃだめでしょう」とその子どもを軽く諌める。
ぼんを押した女の子は流石に俺らの空気を読んだらしく、顔を真っ青にしながら「ご、ごめんなさい」とか細い声で謝罪。
親は来ない。おそらく近くにいない。
この子の心にこの事件はどれくらい突き刺さるんだろう。


119番はソッコーで出てくれた。
状況を簡潔に説明し、近くの病院を聞くと、救急センターの人は「海南病院が近くです。救急で受け付けているはずですが、一応電話で確認をとってから向かってください。もし本日の受付がなければもう一度こちらに電話してください。もしメモの用意があるならばいま電話番号を言いますが」とこれまた冷静に対応してくれる。
なんてありがたい。
「メモが取れないので今暗記します。言ってください」
「0567−……」
頭の中で復唱するが、今俺はちょっと冷静ではないことが何となく冷静に分かったので(なんだそりゃ)、念のためもう一度電話番号をいってもらう。
案の定、若干違って覚えてる。
正確に復唱し、電話を切り、速攻で海南病院へ電話。
すると、今来てもらえれば受け付けてくれるとのこと。
そのまま車に飛び乗って海南病院へ急行。
5分くらいのところだった。
その頃にはぼんも落ち着いていて、「ちっくん(注射)イヤ! もう直った!」と言える程度には回復していた。


対応してくれたのは俺らよりちょっと若いくらいの女性の先生だった。
若いにも関わらずとても冷静に落ち着いた声でぼんに声をかけたり触ったりしながらちゃんと見てくれる。
そしてその場で白紙に骨の構造を正面と側面からの断面図でさらさら描き、ものすごく分かりやすい説明をしてくれた。
正確には覚えてないけど、臀部に対する衝撃は、背骨からのびる神経が異常になり、最悪下半身不随だのなんだのということがありうるわけだが、触診で骨の変形や骨折は認められないため、まず大丈夫だろう、とのこと。
ぼんもちっくんがないことが分かり、安心してその説明をおとなしく聞いていた。
(なんかぼんは話をしっかり理解しているような表情で聞いてたけど、絶対分からんよなーとかどうでもいいこと考えた。)
ああ、桑名の休日外来の先生ってこんなに丁寧な人いない。
海南である意味とてもラッキーだった。
なんか何故か今もちょっと「お腹が痛い」とか言っていて(なんでお腹? 尻じゃなくて?)、まだ心配だけど、とりあえずホッとした。


今回学んだこと。

  • いくら成長著しくても、周りに子どもが多いときは油断するな
  • とにかく焦る。混乱する。けど焦るな。
  • 加害者にはせめて連絡先くらいは聞いておけ。(今となっては連絡のとりようがない。いくら加害者本人が顔真っ青にしていても。)


目を離していなくても、ダメなもんはダメなんだな…(遠い目)


というわけで帰路についた。
ぼんは今日はとてもよくがんばったね、ということで、特別におもちゃをプレゼント。
これは助けてあげられなかった俺の罪滅ぼしでもあったりする。
(ゴーバスターズのバスターギア・シリーズのドライブレード)
あーこれをきっかけに高所恐怖症なんかになりませんように。