Into the Wild

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]


すごいの一言。何だコレ。
ショーン・ペンが監督なのね…。
しかもノンフィクションかよ。
ものすごく単純化してしまうと、ちょっと良いとこのボーヤが閉塞された現状を打破するために文明を捨てて自然に挑むお話。
しかしとてもじゃないがそれだけでは表現しきれないなんかすげぇ強さを感じさせる作品。

  • 音楽が良い。クラシックギターをベースにした、なんだか懐かしさを思わせるような旋律が、その時の画に良い感じに添えられている。
  • 風景が良い。アメリカ、メキシコ、アラスカの大自然が舞台なんだけど、とにかく画が美しい。これブルーレイの大画面液晶で見たらもっと凄かっただろうなぁ。(DVDの中画面で見ました)
  • 出会いが良い。ゆく先々でいろんな人たちに助けられたり時には助けたりしながら進んでいく。特に最後に分かれたロンってゆーじーさんがすげぇ良い味出してた。


一方で、見てる人の多くはきっとこう思う。
「結局自業自得じゃん。みんな寂しがってんだし、もっと早く帰ってあげれば良かったのに」
特に子を持つ親の立場で書かせてもらうと、たしかによろしくない家庭環境であったことは事実だが、もう少し家族のこと考えてあげてもいいんじゃないか、と。
更にはちゃんと勉強できて大学を卒業できたというその状況は親なくしては無理だったろう、と。
けれども観客にそう思わせつつ、ダイナミックに、かつ滑稽に息子は自然に挑んでいく。
彼の手記にどこまで記されていて、どこからがショーン・ペンの脚色なのか知らんが、主人公が最後に掴んだ真実は、紛れもなく彼自身の実感によるもの。
コレを見て我々観客が「うんうんそうだよね、思いを分かち合う瞬間が何より幸せだよね」等と軽々しく言っても実はそれは真実じゃないよなーなんて考えてみたり。


「物事を正しい名前で呼ぶ」というフレーズが頭に残った。
決してただ単に勉強して正確な名前を口にする、ってことじゃなく、自分にとって正しいことって何だろうってことを考えなきゃなんだろうなぁ、と勝手に解釈しておいた。
はい勝手ですみません。